コンクリート住宅を手掛ける建築家が語る「本質的な豊かさ」
皆様、こんにちは。この度は、私が長年培ってきた建築に対する想い、そして現代の高級住宅に求められる「本質的な豊かさ」についてお話しさせていただきます。
流行に左右されない「本物の価値」を追求する
私は、目まぐるしく変わる流行にはあまり興味がありません。本当に良いものは、時代を超えて残るものだと信じているからです。 私が追求するのは、単なる広さや設備の豪華さといった表面的な豊かさではありません。住む人が日々の生活の中で五感で感じられる「質の高さ」です。
静寂という名の最高の贅沢
私が手掛けるコンクリート住宅の最大の特長は、その「静寂」にあります。 外の喧騒を遮断し、家の中に一歩足を踏み入れた瞬間に訪れる静けさこそが、真の贅沢だと考えています。 これは、木造や他の工法では決して生み出せない、コンクリートならではの「重み」が作り出す空間です。 防音性に優れているからこそ、心ゆくまで自分だけの時間を過ごせる。これこそが、現代社会において最も求められる「本質的な豊かさ」ではないでしょうか。
「ミニマリズムの極致」が織りなす美
デザインにおいては、「ミニマリズムの極致」を追求しています。 無駄なものを徹底的に削ぎ落とし、本当に必要なものだけを残すことで、素材そのものの美しさ、構造の力強さが際立ちます。 飾り立てるのではなく、骨格で魅せる。それが私の考える「かっこよさ」です。 しかし、ただシンプルにするだけでは不十分です。そこには、計算され尽くしたプロポーションと、熟練の職人の技術が不可欠となります。
光が描く、日々のドラマ
窓の配置や大きさ、天井の高さ、空間と空間のつながり方、これらはミリ単位で調整されます。 外から見た時の圧倒的な存在感と、中にいても圧迫感を感じさせない、開放的でありながら守られているような感覚を生み出すためです。
また、光の取り入れ方も重要です。単に明るければ良いというものではありません。時間帯によって変化する光の角度を計算し、コンクリートの壁にどう陰影を落とすか。 自然光が創り出すコントラストや、光の筋が空間をどう演出するか。 これが、住む人にとっての「ドラマ」となるのです。日中、夕暮れ時、そして雨の日でも、その空間が常に美しくあるように設計しています。
家の顔である「アプローチ」へのこだわり
外構やアプローチは「家の顔」です。 特に富裕層のお客様は、来客される機会が多いため、玄関までのアプローチでその家の品格が問われると考えています。 最近では、単なる装飾だけでなく、「セキュリティとプライバシー」を確保しつつ、「迎え入れるための演出」をどう融合させるかが重要になってきています。
例えば、セキュリティカメラやセンサーをデザインの一部として溶け込ませたり、植栽で視線をコントロールしながら、お客様が自然と導かれるような動線を設計したりします。 そして、夜になると、足元を照らす間接照明や、シンボルツリーを美しく浮かび上がらせるアップライトなどを効果的に使うことで、昼間とは全く違う、幻想的で高級感のある空間を演出します。 まるでギャラリーのエントランスのような、お客様に「すごいな」と感嘆していただけるような、期待感を持たせる演出を心がけています。
「妥協しない」からこそ生まれる最高品質
最高の「かっこいい」住宅を提供し続ける上で、私が最も大切にしているのは、「妥協しないこと」です。 コンクリート住宅は、一度建ててしまえばやり直しがききません。 設計段階での綿密な計画はもちろんですが、現場での施工精度が何よりも重要です。
コンクリートの打設一つとっても、温度や湿度、流動性まで細かく管理します。 気泡が入ったり、表面がムラになったりしないよう、職人たちはミリ単位で神経を使い、まるで研ぎ澄まされた芸術品を造るかのように作業します。 経験と勘だけでなく、最新の技術も導入し、データに基づいて最高の状態を追求しているのです。 私自身も一級建築士として現場に足繁く通い、職人たちと直接意見を交わしながら、細部にわたって指示を出します。
お客様の「本質的なニーズ」を形にする
お客様との関係は、「一対一の真剣勝負」だと考えています。 お客様は単に家が欲しいわけではなく、自分たちのライフスタイルや価値観を具現化した、唯一無二の空間を求めています。 だからこそ、お客様の話を徹底的に聞きます。仕事のこと、趣味のこと、家族のこと、将来の夢まで、時にはかなり踏み込んだ話になることもあります。 そうやってお客様の「本質的なニーズ」を掴むのです。 言葉にならない「漠然としたかっこよさ」や「理想の暮らし」を、私たちが具体的なデザインと形にして提案する。お客様が想像もしなかったような、しかし、まさにそれが欲しかったんだ、と思ってもらえるような提案を心がけています。
最終的には、お客様に「この家を建てて本当によかった」「私に任せてよかった」と言ってもらうのが、私たちの最高の喜びです。 引き渡し後も、何かあればすぐに駆けつけます。一度ご縁があったお客様とは、ずっと良い関係を築いていきたいと思っています。